就活で死なないために①-まずは自分を知ろう&役立つ本10選
ー新しくスタートする季節
新学期ですね。桜はだいぶ散っちゃって寂しいです。
早稲田は夕方の桜がちょっぴり幻想的でした。
僕が新入生のときは、1000枚ぐらいビラもらったのを覚えています。笑
「あー、おれ早稲田に入ったんだ。」とその時初めて感じました。
ー大学生活の集大成としての就活
大学生活の4年間という時間は、何かをするには実に短く、何もしないには実に長い時間です。
大学生活の集大成である"就活"では、過ごしてきた4年間の密度が問われます。
1年生で大学生活をスタートした時には、だいたいみんな同じようなスタートラインから勝負するのですが、4年後には、それはそれは残酷なほど差がつきます。
特にこれから就活は、どんどん売り手市場になっていて
「企業から黙っててもオファーがくるような、就活で無双する学生」と、
「大量にESを提出するも、どこからも内定をもらえない」
の二分化が極端に進んでいきます。
やはり就活で無双できるに越したことはないですよね?
ー読書で自己研鑽
4年間の密度をできるだけ濃くし、就活で無双するために、読書は非常に有益な自己研鑽の手段です。
近年キュレーションメディアや個人メディアの台頭により、ネットにも良質な情報はあふれています。
しかし、本という媒体は、情報がふるいにかけられる"回数"が圧倒的に違うため、ネットに散りばめられた良質な情報をかき集めるより、ずっと効率的に学びを得られる良書はたくさんあります。
ー3回に渡ってキャリアメイクの仕方と役立つ本を紹介
そんな超絶学びの濃いおすすめの本を、就活におけるキャリアデザインの仕方とともに3回に分けて、紹介します。今日は記念すべき第1回目です。
目次
そもそもどうやってキャリアデザインするの??
まず、前提となるキャリアデザインの仕方について話します。
あくまで、僕がおすすめする方法ですが
①まず「自分」を深く理解する
②次に「社会」を深く理解する
③その上で、「キャリアの描き方」を理解し、考える
3回に渡って解説していくので、今日は①についての解説と、おすすめの本を10冊紹介したいと思います。
①まず「自分」を深く理解する
まずは、自分について知らないと、何も始まりません。
自分の資質や特性、価値観や興味分野などを知らないと、
「メーカー」がいいのか、「広告」がいのか、はたまた「年功序列で安定志向な大企業」がいいのか、「チャレンジングで少数精鋭のベンチャー企業」がいいのか、判断できません。
自分はどんな人間で、何が好きで、どんなことを大切にしているのか
といった、至極当たり前のことだけど、実は意外と知らない、自分自身について知る必要があります。
これは、マイナビの"自己性格診断"とか"キャリア観診断"とかを受けて20分程度でわかるものではなく(一つの把握手段として有益ではあります)、日々考え続け、自分と愚直に向き合い続けて、徐々に徐々にクリアになっていくものです。
「自分」を深く理解するための本
それでは、自分の"資質"を知る本2冊と、"自分の在り方"についての思考を巡らせる系の本8冊紹介します。
1. さあ、才能(じぶん)に目覚めよう
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
- 作者: マーカスバッキンガム,ドナルド・O.クリフトン,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 160人 クリック: 3,045回
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こちらは、ハイエンド就活生の中では、もはや当たり前の自己診断ツールとなっている、「Strenth Finder」のアクセスコードが同封されている、解説書です。
(※アクセスコードは一度きりしか使用できないため、新品を買ってください)
これは原書が英語なので、外資系企業なんかでは、内定者/社員全員に診断が義務付けられていたりもします。
ちなみに僕は、上から
最上志向、調和性、適応性、達成欲、信念
だったので、"自分なりの哲学を持ちながらも、空気を読んで周りと調和しながら、常に上へ上へ向かっていく人"らしいです。そうなりたいなという欲求も入ってますね多分。
ただ、「Strength Finder」を受けて満足する人が多いんですが、解説書も実に良書なので、しっかりと各資質ごとに熟読して、思考を深められるといいですね。
2. マインドタイム
マインドタイム 「未来思考」「過去思考」「現在思考」で最高のチームをつくる
- 作者: ジョン・フューレイ,伊藤守
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/04/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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過去の経験から解決策を探る「過去思考」
使えるリソースを現状の中で探る「現在思考」
新しい可能性を見つけようと未来を探る「未来思考」
人は、無意識のうちに、この3つの思考のタイプを独自のバランスで使用しています。
どの思考をどの比率で使っているのかを独自の「マインドタイムマップ」にマッピングするだけで、個々人の適性、強み、弱みまでがたちどころに明らかになるでしょう。
あなた自身とチームメンバーを理解し、最高のチームを作るためのまったく新しい方程式、それがマインドタイム理論です。
マインドタイム理論とは、人の思考性を、「過去」「現在」「未来」3つの時間軸で捉える理論です。
本を買わなくても、診断ならここから行えます。
https://www.mindtime.com/japan/
これがめちゃくちゃ役に立つ。
例えば、チームでディスカッションをする時に、メンバーの意見やスタンスを、この思考性と結びつけて考えると、非常に有益です。
また、議論における役割意識が明確になり、効率的で質の高い議論ができるようになります。
ちなみに僕は、バランス型の未来思考でした。今度また詳しく書きますね。
3. 自分のアタマで考えよう
- 作者: ちきりん,良知高行
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 30人 クリック: 893回
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月間150万PVを誇る人気ブログ「Chikirinの日記」の筆者が、ユニークな記事を生み出す独自の思考法を初公開。「知っていることと考えることは全く別もの」といった知識と思考の関係と、「最初に決めるプロセスを決める」「縦と横で比較する」「判断基準はシンプルは一番!」など9つの考える技術を解説する。
有名ブロガーのちきりんさんが、「これからの時代、自分のアタマで考えることの大切さ」について非常にわかりやすく、具体的な思考法を交えながら紹介しています。
「少子化問題」や「プロ野球の未来」など、とっつきやすい問題について、ちきりんさんの思考のプロセスが丁寧に描かれており、参考になる部分がたくさんあります。
身の回りの問題や、社会問題に対して、自分はどういったプロセスのもと、どういう思考を経て、どんな結論に至るのか、を体系的に理解し、そこから自分を紐解いていく、キッカケをあたえてくれる、そんな本です。
4. 現代倫理学入門
"人を助けるために嘘をつくことは許されるか"
"10人の命を救うために、1人の人を殺すことは許されるか"
といったテーマをわかりやすく、それぞれの主義にたって、客観的に説明してくれる本です。
個人的には、各章が体系的に簡潔にまとめらているので、マイケルサンデルの有名な「これからの正義の話をしよう」とかよりも、全然読みやすいと思います。
あなたは、上の質問になんて答えるでしょうか?それはなぜですか?
この本を通して、そんな自問自答を繰り返し、自らの思考傾向や価値観を探ってみてください。
5. 仕事は楽しいかね?
本書は、将来への希望もなく日々仕事に追われる主人公が、老人のアドバイスに自己変革のアイデアを見いだしていく物語である。それは、唐突に繰り出される老人の言葉とそれを問いただす「私」の会話で展開していく。たとえば老人は「目標を立てるな」という。「私」は、目標がなければ進歩の度合いが測れず、軌道修正もできないと反論する。しかし老人は、斬新なアイデアや商品がなぜ誕生したかを説き明かし、それらが目前の課題に集中した結果であることを指摘。また、世の中は自分が目標を達成するまで待ってはくれないとも言う。そして「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」「明日は今日と違う自分になる、だよ」などのアドバイスをおくる。
「私」と「老人」のやり取りの中で、気づかされることがたくさんある本です。
"新しいアイディアというのは、新しい場所に置かれた古いアイディアなんだ(文中より)"
といった、ハッとされる言葉がたくさん散りばめられているし、何と言っても、仕事に追われ会社に不満の多い「私」と「老人」の対話、という物語の伝え方勝ちかなと思います。
"多くの人は他人を凌駕する人材になろうとしているけど、それを他人と同じような人間になることで達成しようとしている(文中より)"
という言葉が僕は一番好きです。
ただ、僕は、"これは違うだろ"と思う部分もあり、あ、こういうところに"違うだろ"と思うんだな、といった自分の鏡にもなりました。
6. じぶん・この不思議な存在
掲題の通り、「自分とは何か」といった哲学的な問いに対して、著者がわかりやすく、答えてくれるもの。
僕は、上の本に同じく、この本を自分自身の"鏡"のように使っていて、時折読んでは、自分自身の感じたものの変化を意識して、思考や価値観の変遷に目を向けるようにしています。
"誰かのために、何かをするということ。それ以上でもそれ以下でもないということ"は思ってるよりもずっと難しいことであり、普通人間は、他者を自分の中に取り込んでしまうものだという話を読むたびに、自分の中の邪心が抜け、何かがリセットされる気がします。
7. 利己的な遺伝子
- 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 単行本
- 購入: 27人 クリック: 430回
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「なぜ世の中から争いがなくならないのか」「なぜ男は浮気をするのか」―本書は、動物や人間社会でみられる親子の対立と保護、雌雄の争い、攻撃やなわばり行動などが、なぜ進化したかを説き明かす。この謎解きに当り、著者は、視点を個体から遺伝子に移し、自らのコピーを増やそうとする遺伝子の利己性から快刀乱麻、明快な解答を与える。
"困ってる誰かを助けたい"
"後輩に成長してもらいたい"
一見非論理的で、情緒的な感情のような気もしますが、そんな感情を、遺伝子レベルで、論理的に説明してくれる、そんな本です。
可能な限り自分の遺伝子を後世に残していくことを目的とした"利己的な"遺伝子という概念に基づいて、人間の行動のメカニズムを解説してくれています。
無意識下のもと行われる、自らの意思決定や、それに基づく行動に目を向け、この本で述べられている概念と結びつけて、思考するようになると、自他の思考や行動の見え方が変わってくるかもしれません。
7の「じぶん・この不思議な存在」とセットで読むのおすすめです。
8.「好き嫌い」と経営
企業の戦略ストーリーの創造は、経営者の直観やセンスに大きく依存している。その根底には、その人を内部から突き動かす「好き嫌い」がある。14人の経営者との「好き嫌い」についての対話を通じて、経営や戦略の淵源に迫る。
楠木さんという、NewsPicksなんかでも有名な、一橋大学院の教授の方が、柳井さんや藤田さんなどの、14名の経営者との対談を通して、彼らの"好き嫌い"をクリアにしながら、それがどう彼ら自身の経営戦略に影響しているのか、を紐解いています。
誰もが共通して持っている資質は、組織を前進させていく上で、論理やデータからでは見通しきれない「未来」と愚直に向き合い、自分の中にある"好き嫌い"の感覚を大切に、「意志による意思決定」しているということです。
自分が何かを思考するとき、決めるとき、周りからの期待や、意地やプライドといった邪念がどうしても入ってしまいますが、自分の奥底から聞こえる声に耳をすませる大切さを教えてくれます。
9. ファスト&スロー(上下巻)
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・カーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/06/20
- メディア: 文庫
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整理整頓好きの青年が図書館司書である確率は高い? 30ドルを確実にもらうか、80%の確率で45ドルの方がよいか? はたしてあなたは合理的に正しい判断を行なっているか、本書の設問はそれを意識するきっかけとなる。人が判断エラーに陥るパターンや理由を、行動経済学・認知心理学的実験で徹底解明。心理学者にしてノーベル経済学賞受賞の著者が、幸福の感じ方から投資家・起業家の心理までわかりやすく伝える。
上下巻あるかなりボリューミーな本だが、それを忘れてしまうぐらい、熱中して読んでしまう。
7.の利己的な遺伝子とも少し似ているが、人々はいかに意思決定し、どこでどう間違えるのか、また、どういったバイアスが働くのか、そういった意思決定のメカニズムを、身近な意思決定の場面の具体例を用いながら、わかりやすく解説してくれます。
自らの意思決定の質を高めるためにも使えるが、例えば、議論の際に、メンバーの発言から、背景にある意思決定プロセスや、そこに働いているバイアス、影響しているバックグラウンドや価値観を紐解くことで、より質の高い議論を作る際にも有効です。
10. イェルサレムのアイヒマン--悪の陳腐さについての報告
- 作者: ハンナ・アーレント,大久保和郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1969/02/20
- メディア: 単行本
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アイヒマンという人物は知っていますか??
アウシュビッツのナチ将校であり、何百万にものユダヤ人をホロコーストに送り込んだ人物だ。
これだけを聞くと、"悪の象徴"のような印象を抱く。
実際に、当時の世界中の人々はそうであった。
しかし、この本の中では、アイヒマンを極悪人としてではなく、「ごく普通の小心者で、取るに足らない役人」として捉え、命令されたものを、命令された通りに行った、規則正しい人物であると唱えた。これを著書は「悪の陳腐さ」と表現し、誰しもが特定の状況下に置かれれば、簡単にそういった行動を起こしてしまうものだとも警鐘を鳴らした。
この本に始まり、ハンナアーレントの唱える「全体主義」は、現代の日本に通ずるところが非常に多く、"全体の空気"や"マジョリティ"に無思考で従うのではなく、自ら思考し、自ら本当に正しいと思う道を進む大切さを教えてくれます。
「自分」を深く思考する上で意識したい3つのこと
ちょっぴり長くなっちゃいましたが、ここまで読んでくれた人はありがとうございました。
「自分」を深く理解することで、キャンバスにどんな絵をどうやって描きたいのか、どんな絵が描けるのか、といった思考が始まります。
逆に言えば、「自分」を知らなけらば、いくら「社会」を知っていても、「キャリアの描き方」をしっていても、筆をとり始めることができません。
この文章を通じて、少しでも「自分」を深く知ることの大切さが伝われば嬉しいです。
最後に、このステップにおいて、常に意識してほしいことを3点まとめました。
「表層の自分」ではなく「深層の自分」を見つめる
自己分析やキャリア診断などからわかる自分は、あくまで「表層的な自分」です。
どんな性格なのか、特性なのか、キャリア観を持っているのか、それは"あなたは、◯◯タイプです"と定量的に表せるものとは限りません。
定量的に分類したり、言語化できるような、「表層的な自分」にとどまらず、自分の心の奥底にある情熱や強烈な感情に意識を向け、「深層にいる自分」と向き合ってください。
「生きる」「働く」「善と悪」といった抽象的な概念に目を向ける
業種や働き方といった、自らの"仕事観"に留まらず、"生きること"や"働くこと"、"善と悪"や"正義とは"といった、壮大なテーマに対しても常に思考を及ばせてほしいです。
一見、自分の中にある哲学をぐるぐる巡っているようで、意味がないように思えるかもしれませんが、もしかしたら特定の状況下においては、役に立たないかもしれませんが、きっと人生において自らの血となり肉となります。
"表層的で一時的な小手先の思考"ではなく"生きていく上で常に糧となるような、自らの核となる思考"をしてください。
なんだかんだ「感覚」を大切にする
いろんな本を読んで、いろんな人の言葉に耳を傾け、自分の中に芽生えた感情に目を向けることが大切ですが、それは決してロジカルなものや、言葉で表現できるようなものではなく
"なんか好き" "なんか嫌い" "うざい" "素敵"
といった、抽象的な感覚を一番大切にするのがいいかと思います。
それでは、第2回/3回を楽しみにしててください!
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