成年の主張

日々過ごす中で主張したくなったことを、なんとなく綴るブログです。

「君の膵臓を食べたい」を読んでしばらくぶりに震えてしまった

 

こんにちは。 きっしーです。

 

「君の膵臓を食べたい」っていう本知ってますか??

 

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

 

 

2016年本屋大賞第2位に輝き、かなり売れたみたいなので、名前だけなら聞いたことある人も多いかもしれませんね。

 

住野よるっていう作家の、デビュー作らしいのですが、これが相当な傑作でした。

 

別に設定が衝撃的なわけでも、登場人物が突拍子も無いわけでもないのですが、
読了後のぽーんと突き放される感じが、たまらなくいいです。

 

とにかく「読んでほしい!」という気持ちが高ぶりまくったので、
この記事で良さを伝えていけたらと思います。

 

(どうしても読んで欲しかった何人かの友達にはLINE送りました笑)

 

目次

・どんなストーリーなのか

 

偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。
それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。

病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。

 

・震えたポイント3つ

 

流れるようなストーリーライン

 

「君の腎臓を食べたい」という、なんともキャッチーなタイトルに、
負けずとも劣らない、流れるようなストーリーラインが魅力的です。

 

物語の冒頭に、終盤の場面を持ってきているのですが、これは言うなれば、
大オチを伝えてから始まる漫才、最安値を伝えてから始まる値切り交渉のようなもの。

 

本の中でこのテクニックを成り立たせるためには、
①いかに大オチまでのプロセスで、読者を楽しませるか
②物語の展開によって、いかに同じ場面に、違う意味を吹き込ませられるか
が大切だと思うけど、この本はどっちも満たしています。

 

どういう結末に向かっているのか、忘れてしまうほど、軽やかでおもしろい、主人公2人が交わす言葉。

 

そして、終盤の場面から始まり、物語を読み進め、また同じ場面に戻って来た時、
その場面が最初と全く意味を持ち、全く違う見え方をします。

 

著者の魔法のような心情描写力

 

僕は本を読む上で、「著者の心情描写力」に一番重きを置いてます。

 

いかに、人の心の奥の奥の奥にある、うまく言葉にできない気持ちを、言葉にしてわかりやすく伝えるか。


そこに著者の力量の全てが試されているといっても過言ではないと思っています。

 

その点、住野さんという著者は、羨ましさを通り越して、感動すらも覚える、魔法のような描写力を持っています。

 

文脈でとらえないとなんとも伝わりづらいのですが、例えば、

 

「特に知りたくも聞きたくもなかったのに、彼女の声はきちんと僕の鼓膜に届いてしまった。」 

→「聞こえてしまった」ではなく「鼓膜に届いてしまった」という表現を使うことで、

知りたくも聞きたくもなかった感じが、間接的により強調される。

 

「彼女の寝顔を見て、大病が巣食っているとは思えない健康的な肌に落書きでもしてやろうかと思ったけれど、やめておいてあげた。」

→”寝顔への落書き”という行動表現を使うことで、主人公2人のいたってフラットな関係性を表す
→”やめた”ではなく、”やめておいてあげた”と表現することで、主人公(男)が主人公(女)を、あくまで1人の”仲よし”として見ていることを表す

 

といったように、言葉遣いや表現1つ1つに込められた言霊が、小説の魅力度をまた一つ強いものにしています。

 

デビュー作ですが、この著者はきっと「言葉を大切にする人」なんだろうなと感じました。


主人公が放つ素敵な言葉の数々

 

この本、いやこの著者の、一番魅力的な部分です。

 

主人公2人が放つ言葉1つ1つが、強い力を持って、ど真ん中に届きます。
嬉しい言葉も、悲しい言葉も、素直に読んでる人の胸に届きます。

 

きっとそれは、著者が「言葉を大切にする人」であるからこそ、
命の吹き込まれた主人公2人も、「言葉を大切にする人」なんだろうなと思う。

 

少しでも魅力を知って欲しく、僕の好きな主人公2人の言葉を3つずつあげました。

ネタバレチックなので、読もうと思ってる人は、見ないほうがいいかも。

 

主人公(男)の好きな言葉を3つ

 

「・・・いや、クラスメイトにもうすぐ死ぬって言われてなんて言えばいいの?」
「うーん、私なら言葉失うなぁ」
「そうだよ。僕が沈黙しなかっただけでも評価してほしい」

 

「まずは焼肉!」
「焼肉?まだ午前中だよ?」
「昼と夜で肉の味が変わるの?」
「残念ながら時間帯の差がわかるほど、肉に固執したことはない」 

 

「んまーい。お金持ちはこんなんばっか食べてるのかなー」
「お金持ちは食べ放題に来ないよ、多分」
「そうかー、こんなおいしい肉食べ放題なのにもっだいない」
「お金持ちはなんでも食べ放題だよ」

 

 

主人公(女)の好きな言葉を3つ

 

 

「君は、きっとだだ一人、私に真実と日常を与えてくれる人なんじゃないかな。
お医者さんは、真実だけしか与えてくれない。家族は、私の発言一つ一つに過剰反応して、日常を取り繕うのに必死になってる。友達もきっと、知ったらそうなると思う。
君だけは真実を知りながら、私と日常をやってくれるから、私は君と遊ぶのが楽しいよ」

 

「違うよ。偶然じゃない。私達は、皆、自分で選んでここに来たの。君と私がクラスが一緒だったのも、あの日病院にいたのも、偶然じゃない。運命なんかでもない。
君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私たちを会わせたの。
私達は、自分の意思で出会ったんだよ。」

 

「きっと誰かと心を通わせること。そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ」

 

 

・最後に

 

最初、Kindleストアでこの本の紹介を読んだ時、

 

「明るくクラスの人気者であるが、膵臓に重い病気を抱えた女の子と、
本の虫で、友達を作ろうとしない、目立たない男の子」

 

というよくある設定だし、「君の膵臓を食べたい」なんていうタイトルから、
なんとなくの出落ち感があるなぁと思っていたのですが、
読み始めると、想像してたものの斜め上を行く世界観が広がってました。

 

久しぶりに本を読んで、心が震えるという体験をしました。

 

最近は小説ばっか読んでいるので、いい本だなぁ、おもしろかったなぁ、
みたいな本はいっぱいあるのですが、ここまで心を鷲掴みにされた感覚の本とは、
滅多に出会うことがないです。

 

僕もいつか、小説という形じゃなくても、こういうものを作れるようになりたいなぁ
と心の底から思わせてくれる、そんな作品でした。

 

「2017年買ってよかったものリスト」記念すべき第1号。

 

それでは、また。

 

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