成年の主張

日々過ごす中で主張したくなったことを、なんとなく綴るブログです。

【祝デビュー20周年!】スガシカオおすすめ曲7選

 
ポップスの王道をいくようなメロディーに聞き入ってしまう曲から、変態性の高い歌詞にニヤついてしまう曲まで、マイケルジョンソンの走り幅跳びぐらいワイドな曲幅が魅力のスガシカオ。
 
そんなスガさんも今年でデビュー20周年。
 
デビュー20周年を記念して、というか、ふと書きたくなっただけなので、後付け感はハンパないですが、気にせず、僕が特に好きなスガさんの曲を10曲、好きな歌詞とともに選んでみました。
 
ちなみに、スガシカオは本名で、菅止戈男と書きます。
 

 

スガシカオの魅力

 

個人的にスガシカオの魅力は、以下の2つに集約される気がします。

 

圧倒的な描写力と変態性を兼ね備える歌詞

 

情景描写はもちろんのこと、人の感情、どちらかというと喜びや感動ではなく、虚しさや悲しさ、寂しさや後悔など、マイナスな感情や、心のどろっとした部分の描き方が、なんとも胸をエグられます。

 

この感情をこんな風に表現するのか、と思わされるような、なんとも変態性の高い如実的な歌詞が魅力的です。

 

聴き終わった後にノスタルジーを抱くメロディー
 
スガシカオの曲を聴いてると、"スガワールド"に連れてかれます。
 
身近な世界とはちょっと違って、でも登場人物とか、その人が抱いている感情とか、情景とか、物語の背景とか、似てる部分もあって、現実と想像のちょうど間くらいにあるスガさんが創りあげた"スガワールド"に連れていかれるのです。
 
聴き終わってその"スガワールド"から帰ってくると、いつのまにか"スガワールド"に懐かしさすら感じていて、時々戻りたくなるような気分にさせられるのです。
 
そして、繰り返し繰り返し聴いていると、いつのまにか"スガワールド"の中に、自分がいて、その世界観の中で時間を過ごしている自分がはっきりといるのです。
 

スガシカオおすすめ曲7選

 

それでは曲の中の特に好きな歌詞とともに紹介していきます。

 

月とナイフ

 

スガシカオ初期の根強い人気を誇る曲です。一番か二番くらいに好き。

アコースティックギターの優しい音色と力強い歌詞が印象的。

 


月とナイフ スガシカオ

 

歌詞はここから。

特に好きな歌詞。

 

ぼくの言葉が足りないのなら

ムネをナイフでさいて えぐり出してもいい

君の迷いと言い訳ぐらい

ほんとはぼくだって気づいてたのさ

 

「言葉足りないのなら、ムネをナイフでさいてえぐり出してもいい 」という表現が強烈です。

特に好きなポイントとしては

  • 「ムネ」をカタカナ表記にすることで、自分さえも得体の知れないものであり、自分でもわかりきらない気持ちがあるかもしれない、という不確実性を表現している
  • 「ナイフでさく」という表現を用いることで、どんなことでもするよという相手への気持ちと、そうしたって分かり得ない自分の気持ち、ぼくの言葉、を間接的に強めている
  • 「ぐらい」という言葉を使うことで、相手や相手との関係への諦めや、自分の無力さを表している

と、スガさんの心情描写力がこれでもかというくらいに詰まった歌詞だなぁと思います。

 

愛について

 

スガさんの代表曲とも言える名曲「愛について」

 


スガ シカオ / 愛について

 

歌詞はここから。

特に好きな歌詞。

 

ぼくらがもう少し 愛についてうまく

話せる時がきたら Uh くらして行こう

 

 自分たちの関係の深さを「もう少し愛についてうまく話せる時がきたら」と表現するあたりが変態的です。

 

多分、「もう少し愛についてうまく話せる時」という表現は

  • お互いのことを深く知って、考え方とか価値観とか深いレベルでわかり合えた時
  • 「愛について」なんていうぼんやりとした大きなものについても話せるような関係性になったとき

といった要素を含んでるんじゃないかと思っています。

 

この曲の中での「愛」が結局なんなのか、ということが最後までわからないままなのも、スガさんらしい感じがします。

 

雨上がりの朝に

 

甘酸っぱい王道ポップス的な歌。ちょっぴり切ないです。

 


Suga Shikao - Ame Agari no Asa ni [FUNKASTiC]

 

歌詞はここから。

 

この歌は、歌詞全体のストーリーが非常に綺麗です。

 

1番も2番も、雨が降りそうなシーンと、雨上がりのシーンが交互に展開されながら、主人公の気持ちの動き、迷いが決意に変わっていく様子を、情景描写しながらうまく描いています。

 

雨が降っている時に聴いても、雨上がりに聴いても、どっちも染みます。

 

春夏秋冬

 

こちらも甘酸っぱさと切なさと力強さが混ざった王道ポップスです。

なんか篠原涼子みたいになった。

 


スガ シカオ(SUGA SHIKAO) / 春夏秋冬

 

歌詞はここから。

特に好きな歌詞。

 

春の空はたぶん 思ったよりもずっと青く広い

夏の思い出は 夕焼け色したあなたの笑顔

秋の色づいた木々は さよならのうた歌ってる

冬の冷え切った その両手をあたためたい

 

タイトルが「春夏秋冬」的な歌は、 四季の色とりどりな変化と、それに伴った人の関係とか感情の変化を、どれだけうまく描写できるか勝負だと思ってます。

 

その点、この曲はこの4行でリスナーを仕留めたようなもの。

 

いろんなものが新しくなる春の空は、思ったよりもずっと広く感じて、関係が深まった暑い暑い夏の日には、あなたの笑顔を思い出し、秋になるとさよならが近づいてきて、冬には、それでもその両手をあたためたいなと相手を思う強い気持ち、が表現されてます。

 

コーヒー

 

コーヒーをこぼした時みたいに心に広がってくのに、ずっと言えずにいる気持ちがある、そんな切ない歌。

タイトルを「コーヒー」にする感じ、スガさんのセンスが溢れてます。

 


スガ シカオ / コーヒー

 

歌詞はここから。

特に好きな歌詞。

 

君が笑ってる それだけでいいんだ

君が泣いている どうすればいいんだろう?

こんな遠回りばっかりで ぼくの手は君に届くの?

 

相手が笑ったり泣いたりすることで、すぐ動き回るぼくの気持ち。

君が泣いても何をすることもできない、遠回りのぼくの手は君に届くのだろうか。

 

この3行で、主人公の相手への気持ちの強さ、不器用さ、切なさ、などを痛いほど表しています。

 

また、シンプルなメロディーに乗って運ばれるこの歌詞が、気持ちの強さや不器用な感じを強調しています。

 

夏陰

 


夏陰〜なつかげ〜(スガシカオ)中文字幕.wmv

 

歌詞はここから。

特に好きな歌詞。

 

言葉がいま詰まってしまったら

僕らの夏はここで終わってしまいそう 

 

相手への気持ちを伝えきれないことを「言葉が詰まる」、相手との関係が終わってしまうことを「夏が終わる」と表現するあたりがスガさんのスゴさ。

 

「僕らが終わってしまう」ではなく「僕らの夏が終わってしまう」と表現することで、より切なさが加速します。

 

どれくらの速度でいま

未来に向かって歩いているんだろう?

 

これはなんともわからないのですが、おそらく2番で主人公は相手と付き合うことになります。「僕らの夏」は終わらずに、付き合うことができました。

 

ただ、2人の関係が「当たり前」になっていくにつれ、徐々に大切に感じなくなってしまいます。

 

ここでいう「未来」はポジティブな未来ではなく、多分ネガティブな未来のことで、徐々にその未来に近づいていっている感覚が主人公にもあります。

 

あの日 スタートの合図で走り出してしまったぼくらに

いまさら もう わざとらしいゴールなんかなくてもいい

 

「スタートの合図で走り出す」とは付き合った時のことだと思います。

「走り出したぼくら」ではなく「走り出してしまったぼくら」と表現することで、過去への後悔や、その時の勢いや気持ちの強さが強調されます。

 

「わざとらしいゴール」というのはちゃんと別れることでしょうか。

ちゃんと別れることが「わざとらいいゴール」であり、「なくてもいい」と思っているあたり、それすらめんどくさくなっていると捉えることもできますが、おそらく、めんどくさいのではなく、迎えたくない、失いたくない、という相手にまだ気持ちがあるのではないかと思います。

 

コンビニ

 

動画なかったです。

コンビニという街に当たり前にあったものが、なくなってしまい、誰も気にすることはないんだけど、なんかちょっと寂しくなった気持ちを表現した曲。

 

歌詞はここから。

特に好きな歌詞。

 
街のはずれ 灯りがひとつ消えました
店のおじさんは 夜逃げしたりしたのかな...
バス停の名前はどうするんだろう?
街がひとつ年老いた気がした 
 
「...」や「?」という表現を使うことで、別に答えを探すわけでも、また気になることももうないんだろうなぁという気持ちを表現しています。
 
そのあとの一番最後の歌詞で「街が年老いる」と擬人化表現を使うことで、街に当たり前にあったものがなくなる寂しさや、自分だけがその感情を抱いていることを表現しています。
 

変態ポップスタースガシカオ最高!

 
多くの人の耳に残るキャッチーでドポップなメロディと、変態的でノスタルジックな情景/心理描写という、相反する二要素を併せ持つスガシカオ。
 
「夜空ノムコウ」や「Progress」など、いわゆる王道ポップスではない曲も、大きな魅力の一つですので、ぜひご賞味あれ。
 

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