成年の主張

日々過ごす中で主張したくなったことを、なんとなく綴るブログです。

【レビュー】チャットモンチー新曲「Magical Fiction」は日常に潜む決意の歌

 
チャットモンチーが好きなんです。
 
いつまでも等身大であり続ける感じとか、それでいて常に新しい音楽のカタチを探求し続けているところとか。
 
聴きやすいポップ調のかわいらしい曲が流れてきたと思ったら、毒のある感じの大人の曲が流れてきて、そしたらまたチカラ強く決意にあふれた曲が流れてくる感じとか。
 
 
目次
 

まずはお聴きください

 

と思ったのですが、ニュージーからは見つけられなかったので、YouTubeとかで検索してみてください。

 

プロモーション動画が見つかったので、載せておきます。

それにしてもえっちゃんかわいい。

 


チャットモンチー、ニュー・シングル『Magical Fiction』リリース!―Skream!動画メッセージ

 

曲のざっくりレビュー

 

曲を聴いた感想をざっくりレビューしていきます。

 

ネットの紹介文が、この新譜の魅力を、簡潔に的確に表現していたので、ご紹介します。

チャットモンチー19枚目のシングル、そして2017年第1弾リリースは、ミニ・アルバムに相当するほど濃い内容だ。チャットには珍しい曲先で作られたTrack.1「Magical Fiction」は、80年代ディスコや、その元になるモータウン・ソウル的な跳ねるビートが特徴的。生きていれば起こりうる悲しみや後悔にさよならを告げるマジカルなフィクションの必要性が、曲の明るさと切ない対比を描きながら、曲としてひとつになる新しいアプローチが最大の聴きどころ。Track.2「ほとんどチョコレート」でのエレクトロ・サウンドと、キュートな中にもタフになったふたりが感じられる歌詞もいい。また、ウルフルズのトリビュート盤でも話題の「かわいいひと」のカバー、初期の名曲「やさしさ」のsébuhirokoリミックスも収録している。(石角 友香)

 

チャットモンシーらしからぬんサウンド感

 

まず、初めて聴いた時の感想は「これ、ほんとにチャットモンチーの歌!?」でした。

 

チャットモンチーの曲は、基本的にえっちゃんのギターがベースにあって、ドラム・ベース・ピアノが寄り添うようにあるものが多く、シンプルな音使いが特徴的です。

 

ただ、この曲は、2人体制に戻った後の、福岡さんのドラムのリズムがベースにあって、それにえっちゃんのギターと歌声が寄り添っているという感じ。

 

ドラムのリズム感もなんかとっても不思議で、今までのチャットモンチーにはなかったような曲調が特徴的です。

 

これは日常と決意の歌 

 

これって、日常と決意の歌だと思うんですよね。

 

日常の悲しみを全部笑いに変えるような、とっておきのフィクションのような魔法を待っているんだけど、そんなの待っていたって来ないんだから、自分がその魔法をつくりにいかなくちゃ!という日常の中に芽生えるちっちゃくて強い決意の歌。

 

ちょっと不思議で今までにない空気感がある一方、めいっぱいの等身大な感じもあって、この曲はチャットモンチー自身に向けた歌のような気もしています。

 

メンバーチェンジとか曲作りの体制とか、アルバムごとにいろんなことを試し続けてるチャットモンチー。

 

2人体制に変わった今、誰かが変えてくるれるのを待つんじゃなくて、自分たちで変えていかなくちゃ!という2人の決意に溢れた歌のようにも聴こえます。

 

曲先という新たなチャレンジ

 

上の動画でもちょっと触れられていますが、チャットモンチーは全ての曲を詞先(歌詞→曲の順番)で作っています。

 

この曲作りがチャットモンチーの根幹にあって、福岡さんとか高橋さん(稀にえっちゃん)が書いた詩に、えっちゃんが曲を乗せて、なんとも素敵な一曲が出来上がります。

この異常なコンビネーション力によって数々の名曲が生み出されてきました。

 

しかし今回はほぼ初めて曲先(曲→歌詞の順番)のスタイルを取り、この曲が生まれました。

 

この曲の歌詞の中で芽生える覚悟が、そのまま彼女たちの曲作りの変化にも反映されてる感じが、なんとも等身大な感じを助長します。

 

歌詞のストーリー

 

歌詞のストーリーを解いてみたいと思います。

 

Magical Fiction

 

唄 チャットモンチー

作詞 福岡晃子

作曲 チャットモンチー

 

足りない気がしてる?

まだあの風景をさがしてんのかい

待ち人はもういない

さぁ 新しい靴の準備をして

→「あの風景」は2人体制になる前に見てきた風景

 

ちょうどいい暮らしと

救えない夜の隙間に

月が照らす幕開けのダンス

 

全部笑いに変える魔法

どんな失敗にも最高のさよならを バイバイ

これがいつの時代も必要な薬

 

全部悲しみ消える呪文

どんな後悔にも永遠のさよならを バイバイ

これがいつの時代も必要な薬

→このサビの6行では、日常の悲しみを全部消し去り、笑いに変えてしまうようなマジカルなフィクションの大切さを歌っています

 

こころ汚してる

まだあの噂をぶら下げんのかい

持ち主はもういない

さぁ 新しい歌リクエストして

→メンバーの脱退や曲作り体制を頻繁に変えてきた、チャットモンチーを取り巻くいろんな噂のこと

→「新しい歌」はこれから2人体制で歌っていく歌

 

ちょうどいいギターと

支えたがりやベースライン

君を照らす幕開けのダンス

→「ちょうどいいギター」はえっちゃん、「支えたがりのベースライン」は福岡さんのこと(以前はベース担当だったため)

 

全部が愛に変わる魔法

どんな絶望にも約束のさよならを バイバイ

これがいつの時代も必要な薬

 

全部わたしにかえる呪文

どんな平穏にも必然のさよならを バイバイ

これがいつの時代も必要な薬

→「全部わたしにかえる呪文」はわたしにしか出せない、と歌っているように聞こえます

→「どんな平穏にも」は2人体制になる前の状況、「必然のさよなら」は2人体制になっていく変化

 

新しい境地に向かっていくチャットモンチー

 

10周年を迎え、majority bluesから2人体制に戻ったチャットモンチー。

 

"懐かしさ"と"新しさ"が共存する「Magical Fiction」を引っさげて、全国ツアー真っ只中の彼女たち。(ああ東京公演いきたすぎるやばい)

 

2017年はいろんな作品をリリース予定らしいので、新アルバム発売もあるかも...!!

 

ちなみに、カップリングには5年前にライブで一度披露された「ほとんどチョコレート」のリアレンジverと、ウルフルズの原曲を阿波踊り調にしたなんともかわいい感じの「かわいいひと」が収録されており、どれもチャットモンチーの新たな一面を見せてくれる楽曲です。

 

チャットモンチーへの愛が止まりません。助けてください。

 

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