成年の主張

日々過ごす中で主張したくなったことを、なんとなく綴るブログです。

就活で死なないために③-最後にキャリアの描きかたを知ろう&役立つ本10選

 

こんばんは。3回に渡ってお送りしてきたこのシリーズも、今回で最後です。

 

ん?なんですか?

 

そうですか、寂しいですか。ありがとうございます。光栄です。

 

え、全然寂しくないって?ツンデレだな〜。。

 

ということで、最後に

就活で死なないために③-最後にキャリアの描きかたを知ろう&役立つ本10選

をお送りします。

part1&2読んでない人は、こっちから読んでくださいね!

(part1-3の流れで読んで初めて意味あるので)

part1↓

www.akirakishi.com

 part2↓

www.akirakishi.com

  

就活で死なないためには、きちんとしてプロセスを経て、キャリアデザインすることが大切で、そのために本をたくさん読みましょう、という話です。

 

そんなキャリアデザインに役立つ、学びの濃いおすすめの本を、キャリアデザインの仕方とともに3回に分けて、紹介しています。今回はラストの第3弾。

 

目次

 

そもそもどうやってキャリアデザインするの??

 

まず、前提となるキャリアデザインの仕方について話します。

あくまで、僕がおすすめする方法ですが

①まず「自分」を深く理解する

②次に「社会」を深く理解する

③その上で、「キャリアの描き方」を理解し、考える

 

今回はラスト第3弾なので、③についての解説と、おすすめの本を10冊紹介したいと思います。

 

③「キャリアの描き方」を理解し、考える

 

あたなが画家だとして、キャンバスにある絵を描きたいとします。

 

どういう絵が描きたいかは決まっていて、その絵が周りから評価されそう/必要とされそうなこともわかっていても、肝心の描き方を知らなければ、結局白紙のままですよね。

 

どの絵の具を使って、どの筆を使って、どういう順番で絵を完成させていくのか、イメージしている必要があります。

しかも、"絵を描き始める前"にイメージしていくことが非常に重要です。

(もちろん途中で描きたい絵が変わったり、使う筆を変えたくなったりすることもあります)

 

①で「自分」を知り、理想を描いた上で、②で「社会」を知り、本当にその理想は価値があるかを考え、③で最後に「理想」への辿り着き方を考える必要があります。

 

さて、「キャリアデザインの仕方」についての話は、ここまでになります。

 

闇雲に読書をしてもあまり意味はなく(乱読も時にはいい手段だが)、きちんと目的意識を持って、その一冊から何を得るか、という思考の基、読書をすることが大切なので、丁寧に話しました。

 

「キャリアの描き方」を考えるための本

 

それでは、「キャリアの描き方」についての本を紹介します。

 

「自分」と「社会」を知り、キャンバスに自分が描きたい絵が明確に決まったとして、やはり"描き方"を学ばないと、結局筆をとれないので、とても大切な部分ですね。

 

ただ、前提として、"描き方"の学び方は多種多様で、自分にあった学び方を見つけることが大切なのですが、個人的には

 

Setp1: キャリアデザインの仕方的な本を1,2冊読み、概観を理解する

Step2: いろんな成功者の"描き方"について書かれた本を10冊くらい読んで、具体例をひたすらインプットする

Step3: 小説とか哲学書とか、読むのに思考を要する本をひたすら読んで、"働くとは"とか、"自分の中にある好き嫌い"を感じ取ることで、キャリアを描く上での軸をクリアにする

Step4: 実際にキャリアを描いて、行動してみる

→適宜Step2へ戻る

Step5: 仮説検証を繰り返して(仮説検証の手段として読書も使えます)、自分の中の軸をよりシャープにしていく

 

このステップをひたすら繰り返して、自分にフィットする筆や絵の具や描く順番を知ることが大切かと思います。

 

てことで、それぞれのステップにおいて

Step1: 1冊

Step2: 2冊

Step3: 8冊

を紹介します。個人的にStep3をしてる時が一番好きなのと、Step2はその人のキャリアの着地点によって結構変わってくるので、Step3多めに紹介しますね。

まずは、Step1から。

 

1. ワーク・デザイン これからの<働き方の設計図>
ワーク・デザイン これからの〈働き方の設計図〉

ワーク・デザイン これからの〈働き方の設計図〉

 

 

帯に書かれた「『ワーク・シフト』では自分の仕事の未来を描けなかった95%の人へ」というコピーが素敵。コピーに惹かれて買っちゃいました。

 

"パラレルキャリア"というキーワードを基に、これからの働き方の未来、キャリアの描き方を紐解いていく本。 

 

クラウドソーシングの一般化とか、個人メディア(SNSの発展版)の普及、市場の細分化とかの潮流によって、個々人の人材価値と、それを発信していくブランド力、が重要になってくる。

 

その上で、一つのキャリアに固執することなく、自分の軸に基づいて、複数のキャリアを描くという選択肢(=パレルキャリア)について書かれています。

 

言ってることの本質は、他の本と変わらないけど、パラレルキャリアという概念について詳しく書かれてるのがいいとこ。

 

考え方が好きなのと、やりたいことがいっぱいある人が読むと腹落ちしやすい、原点回帰させてくれるようで、好き。

 

2. リクルートのDNA-起業家精神とは何か

ここからStep2を2冊。

リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)

リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)

 

 

アントレプレナーシップの宝庫であるリクルート様様の創業者であり、神として崇められる江副さん著書。

 

リクルートの組織風土関連の本は何十冊て出てるので、少なくともどれか1冊は読んだ方がいい。

 

日本有数の大企業でありながら、常にアントレプレナーシップ(起業家精神)を持ち続け、様々なイノベーションを起こし続けるリクルート社の精神が書かれてた本。

 

常にイノベーションを起こし続け、優秀な大学生がこぞって行きたがるリクルートの遺伝子(DNA)が学べて、何かしたくてうずうずしてる意識高い系大学生が読むと、リクルートがくそ好きになっちゃうので注意。笑

 

3. ゼロ---なにもない自分に小さなイチを足していく 
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

 

 

堀江さんの出所後出版した本。有名だから読んだ人も多いかも。

堀江さんも何冊も出版してるので、どれか1冊は手に取って、じっくり彼の頭の中を覗いてみた方がいい。

 

メディアとかでは言ってるることが本質を突いてても、自分の魅せ方とか表現の仕方がうまくないから、違う風に捉えられたりするこが多いけど、やっぱりいくつもの事業を成功させ続け、今でもロケット事業とかオンラインサロンとか、社会の最先端を走ってる人なだけある。

 

出所後すぐなだけあって、自分の魅せ方にかなり気を遣っているから、読みやすいのと、なんだかんだ言ってることは本質を突いていて、素敵なことを言ってるから、ぜひ読んでほしいです。

 

4. 何のための働くのか 

ここからはStep3の本。

何のために働くのか

何のために働くのか

 

 生きることは働くこと、働くことは生きること。
本書の中で、「仕事とは人生そのものと言ってもいいと私は思っています」と著
者は語ります。
また、「仕事に生きがいが見出せなければ、人生の意味がほとんどなくなるとさ
え思います」とも断言しています。 
「何のために働くのか」という問いかけに、
あなたならどのように答えますか?

 

10年前くらいに書かれた本で、同じようなタイトルの本は腐るほどあって、僕も20冊ぐらいは読んだと思うんですけど、この本が一番しっくりきました。

 

こういう系の本は、著書がいい人すぎて、

"いやー俺にはできないよ(笑)"

って思っちゃうような、あまりにも善人チックな働く使命みたいなことが書かれてるパターンか、

心広い坊さんとかひねくれた哲学者とかが、

「周りを大切に目の前のことに一所懸命取り組みなさい」とか、

「何事もてきとーにやるくらいがちょうどいい」みたいな、

いやよくそれで本出そうと思ったなwみたいなことが書かれてるのが多いんですけど、

これは、歴史上の偉人とか名経営者とかの言葉を借りながら、著者のフィルターを通して、メッセージが伝えらていて、まあなんだかんだ善人チックな言葉が多いんですけど、これだけ多くの人がこう言ってるってことは、帰納的に考えて、多分必要な考え方なんだろうな、って自分を納得させられます。

 

5.「賢(かしこ)バカ」になっちゃいけないよ
「賢(かしこ)バカ」になっちゃいけないよ

「賢(かしこ)バカ」になっちゃいけないよ

 

 

生き仏みたいなお坊さんが書いた本。

 

著書の酒井住職は、約7年かけて4万キロを歩く荒行「千日会峯行」を2回も達成された方で、千日会奉の様子とか道中の記録とかを聞いてるだけで、心が洗われて、いかに自分が邪心に溢れたクソ人間か思い知らされます。笑

 

この「千日会奉行」というのは、一度挑戦したら止めることは許されず、止める時は、短剣で腹を斬るか、紐で首をくくらなければいけなく、挑戦する時の覚悟は計り知れないですね。

(そのため、常に短剣と紐を持ち歩いているそうです)

 

そんな想像するだけでも過酷な「千日会奉行」を2回も成し遂げた住職が語ることには、本当に重みがあり、日々の忙しさに追われ、「生きる」なんて概念すら忘れてしまう人は一度読んでみてください。

 

きっとキャリア観になにかしらの影響を与えると思います。

また、口語体なので、親近感を持って読みやすく、書いてることは本質を突いていて、一人の大学生やビジネスパーソンとして意識すべきことも多く書かれています。

 

6. 大事なものは見えにくい
大事なものは見えにくい (角川ソフィア文庫)

大事なものは見えにくい (角川ソフィア文庫)

 

 

鷲田清一さんという哲学者が書かれた本です。

鷲田さんも、いくつも著書を出されていて、好きな人にはすごく響くので、一冊だけでも手に取ることをおすすめします!

 

「自分を知る」ための一冊「じぶん・この不思議な存在」も鷲田さんが書かれています。

 

扱っているテーマは「自分とは何か」「何のために生きるのか/働くのか」といった感じで、似ているんですが、こっちの本の方が8年も後に出版されたので、鷲田さんの中の哲学にも変化が見えたり、捉え方が変わってたり、と面白いです。

 

「じぶん・この不思議な存在」とセットで、自らの鏡として活用するもよし、哲学者の思考の変遷を辿ることで、自分の価値基準と照らし合わせるのもよし、いろんな読み方があると思います。

 

7. 働くくことがイヤな人のための本 
働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)

 

 

こちらも、中島義道さんという哲学者による本です。

この人は、鷲田さんとは違って、かなり極端な思考な主張をする人で、とっても刺激的です。笑

 

例えば、路上で違法駐輪をしてる自転車を思いっきり倒し、たまたま通りかかり、怒り狂った所有者と口論し、自分の考え方が正しいことを証明しようとしたり、"幸福な人生など絶対に存在しない"と主張したりと、生き様も非常に素敵です。

 

僕らが日々気にするような"世間体"や"社会的地位"などクソ食らえといった感じで、自分の主張や信念にとことん忠実に、正直に、生きている方です。

 

働くことに悩む仮装の4人と、中島先生が対話をしながら、「なぜ働かなければいけないのか」「働くとはどういうことなのか」といった疑問を紐解いていく本です。

負の状況下に置かれた人の視点から対話が繰り広げられるので、肩の力を抜いて読めます。

 

8. ビタミンF
ビタミンF (新潮文庫)

ビタミンF (新潮文庫)

 

38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた……。一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。「また、がんばってみるか——」、心の内で、こっそり呟きたくなる短編七編。 

 

僕が一番好きな作家の重松清の、一番好きな本です。

タイトルのビタミンFには、「炭水化物やタンパク質のように、自らの血や肉となる力つよい小説があるなら、何気ない日常を描き、ちょっぴり元気のもらえるビタミンのような小説があってもいい」という重松らしい素敵な由来があります。

 

また、7つの短編小説が載っているのですが、それぞれに"Father""Friend""Family"といったFから始まるキーワードを軸にエピソードが描かれており、ビタミンFという、この世に存在しない新たなビタミンの形になっています。

 

落ち込んだ時、悲しい時、嬉しい時、忙しさに追われて大事なものを見失いそうになる時、いろんな場面で、ちょっぴり、いやたっぷり、元気をくれる、そんな小説です。

 

9. がんばらなくていいんだよ
がんばらなくていいんだよ

がんばらなくていいんだよ

 

 

先ほど紹介した、"生きる仏"酒井住職の本2冊目です。

 

"自然体で生きる"

"執着や悩みを抱え込まない"

"自信を持って生きる"

 

わかってるんだけど、なかなかできない、当たり前ことが書かれているんですが、酒井住職の言葉には、何とも言えない心に響く"何か"が宿っています。

 

必ずしも、頷けないかもしれない。それでいい。

 

彼の言葉に耳を傾けることで、自分の中にある軸がクリアになっていけば、それでいいんだと思います。

住職は、"がんばらなくていいんだよ"というメッセージを通して、"がんばることの大切さ"も同時に伝えてくれているような気がします。

 

10. 私の嫌いな10の人びと
私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)

私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)

 

 

最後の本は、先ほど紹介した、哲学者の中島義道さんの本2冊目です。

 

 "自分の仕事に「誇り」を持っている人"

"「おれ、バカだから」と言う人"

ーそんな人たちが嫌い

 

ドキッとした人、いると思います。

無意識のうちに、「いい人」を演じてませんか。

世間体や空気を気にして、心の奥底の声に聞こえないフリをしてませんか。

そんなことを考えさせてくれる本です。

 

著書が嫌いな人の10の資質をあげているのですが、一般的には「いい」と認識されているような資質ばかりです。

 

自らの価値観や信念に愚直に向き合う著書が、「生きるということ」の本質に真正面から向き合っている、そんな本です。

 

上の項目に、"なんかわかる"と共感した人も、"どうせ偏屈な哲学者の世の中への嫉妬だろ"と吐き捨てた人も、特に後者の人には一度読んで、自分の心の声に耳を傾ける時間にしてほしいです。

 

最後に伝えたいこと

 

3回に渡っての連載は以上なります。

ここまで、読んでくれた人はありがとうございました。

長々とごめんなさい。

 

この文章は、"就活"という人生の一大イベントを控え(もしくは終え)、自分と似たような悩みを抱える大学生向けに書きましたが、このプロセスを経ることで、"就活"というターニングポイントに限らず、人生の岐路に立った時に、支えてくれるような「自らの信念」を形作るのに、役立つかと思います。

 

最後に、キャリアデザインや、そのための読書をする上で、常に意識してほしいことを3点まとめました。

 

自分の本の読み方を見つける

 

キャリアデザインにとどまらず、自己研鑽の手段として読書は非常に有益です。

しかし、本の読み方/種類/ペースなどは、当たり前ですが、人それぞれです。

誰にも向き不向きがあるので、ここで紹介したことをやれば人生の目的や目標がクリアになっていくわけではなく、自分の「本の読み方」を見つけることが大切です。

1冊本を読んだ際には、その本の内容から何を得たかと同時に、読み方(種類/ペース/量など..)から何を得たか、という思考も及ばせると、学びが2倍になるかと思います。

 

とにかく足を動かし、仮説検証を繰り返す

 

3回に渡って、「本を読み、知見を得て、思考する大切さ」を話してきましたが、自分の思考の深さや広さ、また、具体的なキャリアプランも、自分の中で思考することで満足していたら、何にもなりません。

就活は、ただ、業種や年収/企業風土や志向性についての情報収集をする場ではなく、"自分が20余年間で培ってきた思考を、普段はぶつけられないような人に、無料でいくらでもぶつけられる絶好の機会"です。 

そういった視点で、就活イベントやOBOG訪問に臨むだけで、全く違った情報が得られるかもしれませんし、就活を一つの成長機会として捉えることすらできます。

 

結局、就活は「思考したもん勝ち」だ

 

タメの就活生や、いろいろな企業の人事の人と話し、一つ確信を持って言えることは、結局、就活は「思考したもん勝ち」だということです。

ここでいう思考とは、キャリアデザインに限らず、日々の生活において、自分自身や社会の流れに敏感に、常に思考している、という意味です。

 

17卒の人も、まだまだ間に合うと思います。大学生なんて、時間は作ろうと思えば、いくらでも作れます。

18卒の人はよゆーです。

SPIやwebテストの対策、ESのブラッシュアップや面接対策といった、就活における1プロセスに膨大な時間を割くより、きちんと自分と向き合い、本当に自分がしたいことを見つけ、社会の流れを捉え、未来の働き方に想いを馳せ、そのために必要なキャリアを描くことが大切です。

 

本当の最後に

 

読書も大切ですが、日常の一つの風景や一つの言葉を意識し、日々思考を巡らせ、その時抱いた自分の感情を大切に、心に積み重ねていくことが、それ以上に大切だと思っています。

 

などなど、色々と偉そうに書いてきましたが、数百冊の本を読んできた僕も、大学卒業後ファーストキャリアとして何を選ぶべきなのか、絶賛迷い中です。w

迷い中というか、思考中ですね。

一緒にがんばっていきましょう。笑

 

ではまた!

 

 

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就活で死なないために②-次に社会を知ろう&役立つ本10選

 

こんばんは。昨日書いた記事が思ったより読まれなくて悲しんでます。

 

そんな僕の心を描写するように、最近はどんより嫌な天気ですね。

明日も雨みたいです。

こんな日には、室内にこもって読書するに尽きます。

 

ということで、うまくつなげられたので、昨日の「自分を知ろう」編に引き続き、

【保存版】就活で死なないために②-次に社会を知ろう&役立つ本10選

をお送りします。

part1読んでない人は、こっちから読んでくださいね!

(part1-3の流れで読んで初めて意味あるので)

www.akirakishi.com

 

就活で死なないためには、きちんとしてプロセスを経て、キャリアデザインすることが大切で、そのために本をたくさん読みましょう、という話です。

 

そんなキャリアデザインに役立つ、学びの濃いおすすめの本を、キャリアデザインの仕方とともに3回に分けて、紹介しています。今回は第2弾。

 

目次

そもそもどうやってキャリアデザインするの??

まず、前提となるキャリアデザインの仕方について話します。

あくまで、僕がおすすめする方法ですが

①まず「自分」を深く理解する

②次に「社会」を深く理解する

③その上で、「キャリアの描き方」を理解し、考える

 

3回に渡って解説しているので、第2弾の今回は、②についての解説と、おすすめの本を10冊紹介したいと思います。

②「社会」を深く理解する

①〜③のプロセスのうち、就活生が一番かっ飛ばしがちなものなので、一番意識して読んでほしいです。

 

これは、普通の就活をやっていると、あまりやる場面に出くわさないので(業界によってはリスクであったりするので)、思考の必要性に気づかず、就活を終えていく学生も多いと思います。

 

例えば極端な話、①で自己理解を深めた結果、自分の天職が「タクシー運転手」だとするじゃないですか。(あんまりそうなることはないと思いますが)

ただ、これだけ、Googleの自動運転だなんだって言われてるご時世なので、多分10年後ぐらいにはその職業自体がなくなってる可能性大ですよね。

ちょっと今のは極端な例だったかもしれませんが、タクシー運転手以外にも、AIの日常化やシェアリングエコノミーの浸透により、代替されうる職業っていっぱいあるんですよね。

 

ただ、意外と周りの就活生と話してると

「いやいや、その仕事の10年後とか想像してる?」

「そのキャリアチョイス、これからの社会の流れと一致してる?」

(えらそーにごめんなさい、クソな大学生の戯言です)

と思うことがしょっちゅあります。

 

おすすめの本のところでも話しますが、

社会の捉え方としては「過去」「現在」「未来」の時系列の視点で考えるといいます。

これまで社会がどういう歴史をたどってきて、いまどういう社会になっていて、これからどうなっていきそうか、という視点で考えることで、より性格な未来予測ができるのではないでしょうか。

「社会」を深く理解するための本

社会構造や社会のあり方を体系的に学べる本7冊と、社会において今後必要とされる人材像についての本3冊紹介します。

読み方としては、

「社会がどういう変遷を辿り、いまどうなっていて、今後どうなっていくのか」

を理解した上で

「そういった社会において、どういう人材が必要/価値が高いのか」

という順番で読むと考えやすいと思います。

 

1. フラット化する世界(上中下巻)
フラット化する世界〔普及版〕上

フラット化する世界〔普及版〕上

 

「 ニュースとかでよく耳にするグローバル化って、つまるところなんなんですか??」

そんな問いに答えられるでしょうか。

僕なら、「情報革命により、力を持つ主体が変わり、"国家"としてではなく、"個人"として、フラットな状態で資本主義の中で戦わなければいけない状況のこと」と説明します。

僕らをそんな"フラットな状態"にさせる数々の要因を、体系的に説明してくれています。

上中下とボリューミーですが、グローバル社会の動向を大局的に把握できる上、意外とすらすらと読めてしまうので、ぜひ手に取ってみてだください。

10年前の本ということもあり、今となっては当たり前なことがほとんどですが、現在進行形のトレンドがほとんどなので、意味はあります。逆に、10年間でこんなにも当たり前になるのか、といった読み方をするのもありだと思います。

 

2. ポスト資本主義社会
ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来 (岩波新書)

ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来 (岩波新書)

 

 富の偏在、環境・資源の限界など、なおいっそう深刻化する課題に、「成長」は解答たりうるか――。近代科学とも通底する人間観・生命観にまで遡りつつ、人類史的なスケールで資本主義の歩みと現在を吟味。定常化時代に求められる新たな価値とともに、資本主義・社会主義・エコロジーが交差する先に現れる社会像を、鮮明に描く。

「資本主義の次にくる社会制度(ポスト資本主義)は何か」

これは永遠のテーマですね。

資本主義をわかりやすく説明する系の本は、絶対読んだ方がいいんですけど、300p-多くても500pくらいで資本主義をすべて語るのは無理なので、本ごとに絞る観点が違ったりするので、一冊で大局観を得ようとするのではなく、何冊か読んでみるのがいいと思います。

同じようなタイトルでもいろいろあるんですが、僕的にはこれが一番読みやすかったのと、一番体系的に書かれてると思ったので。

1のフラット化する世界と比べ、より"社会制度"に着目していて、資本主義が生まれた背景など、かなり過去に遡りつつ、現在の資本主義が抱える課題と、それに対しての対策や、ポスト資本主義についても具体的に書かれていて、読みやすいです。

「資本主義はクソだ」みたいな本は溢れてるんですけど、意外とじゃあ何がいいんだ、って問いにちゃんと答えてる文献は少ないので、こういう系の本は選書が重要かと思います。

 

3. メタップス社長佐藤さんのブログ

メタップス社長のブログ

これは、かの有名なメッタプスの社長佐藤航陽さんが以前やられてたブログです。

本じゃないんですが、このブログの内容は超濃密で、そこらへんのベストセラー10冊ぐらいの価値はあります。

全部で10エントリーぐらいしかないのですが、

ロジカルシンキングの弱点を考えてみた:ロジックを超えたロジックの話 | メタップス社長のブログ

ポスト資本主義社会を考えてみた:『価値主義』と『情報経済』 | メタップス社長のブログ

現実を直視しながら理想を持ち続けることの難しさ、人生の「賞味期限」 | メタップス社長のブログ

などなど、超濃密な話がいっぱい載っています。

僕は各エントリーを10回ずつぐらいは読み込みました。w

PV数にかなり貢献してる気がする。

 

最後のエントリーが2015年2月なので、多分もう更新されることはないです。笑 

 

4. ITビジネスの原理
ITビジネスの原理

ITビジネスの原理

 

パズドラとかLINEがなんでうまくいくのか。

LINEスタンプとiモード絵文字の共通点は何か。

Amazonと楽天の違いは。

などなど、ITビジネスの全体観がつかめる良書。とにかく説明がわかりやすい。

最初の方に、ビジネスの基本は価値交換みたいな話があって、IT関係ない人も非常に役にたつので、「おれ、IT関係ないし」みたいな人にもぜひ読んでほしいです。

著書の尾原さんは、マッキンゼー、リクルート、Google、楽天などを渡り歩いていて、ITビジネスを牽引してきたような人なので、彼の本はなにかしら読んだ方がいいと思います。

 

5. 富の未来(上下巻) 
富の未来 上巻

富の未来 上巻

 

 世界的ベストセラー『第三の波』の著者として知られるアルビン・トフラー博士と夫人による最新刊。経済学、社会学、科学、さらには哲学をも網羅した知識と研究によって、現在地球規模で進行している重大な変化を読み取っていく。

今回のテーマは「富の歴史的、革命的な変化」だ。人類が生活基盤として作り上げた富の創出、配分、循環、消費、蓄積、投資に関わる“常識”が、劇的に変わり始めていると論じる。その変化は産業革命に匹敵する衝撃であり、我々に新しい生活様式と文明をもたらすと言う。起爆剤となるのは「知識」だ。「知識資本主義」についての研究は各方面で盛んだが、著者はそれらは断片的だと論じ、より深遠部分で起きている変化に目を向けよと言う。

世界一有名な未来学者であるトフラーによる、題名通り「富の未来」に関する本。

どの章も非常に密度が濃く、ボリューミーんなページ数を忘れさせてくれるほど、熱中してしまいます。

「富とは何か」「富はどこから生まれるのか」といった初歩的な問いから始め、徐々に

「富はどこに/誰に流れていくのか」「富はどういったあり方になっていくのか」といった、未来予測へと移っていくため、流れを大局的に捉えやすく読みやすいです。

個人的に、社会を深く理解するためには、トレンドや史実などの「現象」にとどまらず、根本にある「社会制度」や「経済システム」などに目を向け、思考することが必要だと思っています。

そういった点でも、"富の流れ"という切り口で、社会を見つめているこの本はとても役に立つと思います。

 

6. 経済ってそーゆーことだったんだ
経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)

経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)

 

元政治家の竹中平蔵が、経済について専門的な知識のない、電通の広告マン佐藤雅彦に、噛み砕いて説明しながら、経済やお金の動きの本質に迫ろうとする対談です。

さすが電通の広告マンだけあって、誰もが聞きたい質問を、誰もがわかる言葉で、端的に質問する、なおかつ本質を突いている。

そして、それに感化されるがごとく、プロフェッショナルの竹中氏も、誰もがわかる具体例を用いながら、誰もがわかるように、本質を突きながら説明していく。

新しそうに見えて、14年も前に出版された本ですが、2016年現在の日本にも通ずる話がたくさん散りばめられており、非常に有益。

これまで読んできた5冊の総まとめのような感じで、トレンドや史実などの「事象」を基にした、社会全体の流れや、その根本にある「社会制度」や「経済システム」と結び助けて、2人の対談に耳をすますと、文面以上に多くのことを得られるのではないでしょうか。

 

7. WORK SHIFT 
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

 

 社会がどういう風に変化していて、どう働き方を変えていかなければいけないのか、について書かれた本。

変化の要因は、グローバル化やテクノロジー/人口構成やエネルギー/環境問題など、これまでの6冊に何度も出てきた陳腐な話なので、さらっと読んでしまい、そのあとの、社会の変化と働き方の変化のつながり(相関性)を丁寧に読むといい。この2つのつながりをうまく話してくれているので、1-7と8-10の本の懸け橋として読むことをおすすめします。

結局、「社会のあり方」が変わることで、「自分のあり方」も変わる(というか自ら変える)から、まずは社会のあり方を知ることが大切なんだ、というのが僕の主張です。

1-7までは、「社会の変化」に視点を絞った本なので、じゃあ結局、その社会においてどんな人材が必要なのか、というのが書かれています。

 

8. マーケット感覚
マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

 

これからの不確実な社会において、「個別のスキルや英語力を磨くだけでなく、市場がどう動いていき、何を身につけるべきか、といった、社会や市場の本質を見抜く力」の必要性が増していきます。この資質を本書では「マーケット感覚」と呼び、なぜ必要なのか、どうやったら身につけていけるのか、を分かりやすく、具体的に説明してくれています。

そもそも市場って何??っていう話に始まり、"就活"や"婚活"などの身近な具体例を用い、市場化するってどういうこと??という疑問に答えていきます。

また、じゃあ市場において必要とされる"価値"って何だろう??という話に移り、最後にはそういった本質的な価値に敏感になるための(=マーケット感覚を磨くための)、5つの方法が紹介されています。

すぐに実践できることが多いので、読んだらすぐ行動に移して、"あー、マーケット感覚"ってこういうことか、と肌で感じてみてください!

 

9.  ZERO to ONE
ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか

ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか

 

 社会における課題解決プロセスは主に二通りに分かれます。(すごくざっくりとですが)

①0→1のイノベーションを創造し、今までに人々の頭の中になかった、新しいやり方で社会課題を解決していく方法

②1→100の改善を繰り返し、効率性/利便性/有益性を追求し、既存の事業やプロダクトの質を最大限高めることで、社会課題を解決していく方法

これらのうち、日本人は特性的に②に非常に長けており、②のプロセスをひたすら繰り返すことで、事業や会社や社会を発展させてきました。

しかし、社会課題の複雑性は増し、解決困難性は高まっていく一方で、①のイノベーションの必要性は増すばかりです。

ものづくり大国である日本は、SONYのウォークマンやワンセグ携帯、SNSのmixiなど、数々のイノベーションを生み出してもきましたが、今やiPodにiPhone、Twitterにfacebookと、アメリカが生み出したイノベーションにとって代わってしまいました。

時代のトレンドに敏感になり、三歩先の未来を見つめ、二歩先を思考し、一歩先を生み出す、そんなZERO to ONEの資質を身につけるために、何をどんな角度から思考し、どうイノベーションを起こしていくべきか、といった問いに答えてくれます。

読了後すぐに何かを実践するためというよりは、シリコンバレーのイノベーションを最前線で牽引してきたピーターティールの頭のなかを覗けるといった感じの本です。

 

10. CEOからCDOに
CEOからDEOへ - 「デザインするリーダー」になる方法

CEOからDEOへ - 「デザインするリーダー」になる方法

  • 作者: マリア・ジュディース,クリストファー・アイアランド,坂東智子
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2014/09/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 この大変革の時代に、未来を見据えて組織を舵取りすることのできるリーダーとはどのようなものでしょうか?
本書では、昔ながらのCEOはすでに時代遅れのものであるとし、戦略的な事業経営者と問題解決者のハイブリッドである「デザインするリーダー」すなわち
DEO(デザイン・エグゼクティブ・オフィサー)こそが、これからのリーダーシップの手本になると説きます。
新しいリーダー像を具体的に提示する一冊です。

これからの時代は、経営戦略を練り、意思決定の権限を持つ、ポジションとしてのCEO的リーダーではなく、頭のしわ(EQ)と心のしわ(IQ)を駆使し、変化にすばやく適応しながら、「夢」と「データ」という一見相反するように見える2つの要素を兼ね備えるDEO的リーダーが必要であるという話。

未来をデザインし、組織を前進させながら、立ちはだかる解決すべき課題をロジカルに解決していく、そんなこれからのリーダーシップについて学べます。

これからの社会において、どんなリーダーシップが必要とされるのか、といったことについては、一番的確に、具体的に描かれていて、非常に有益です。

「社会」を深く思考する上で意識したい3つのこと

いかがだったでしょうか。

普通に就活してても、「社会」についてなんて考えません。

自己診断やESや面接を通じて、多少なりとも「自分」について考えますし、企業研究やOBOG訪問で「業種」や「企業」について考える機会もあります。

 

しかし、「社会」がいままでどういう歴史をたどり、いまどうなっていて、これからどうなりそうか、といった思考をしない限り、どんなに素敵な理想や未来像さえも、絵空事で終わってしまいます。

 

最後に、このステップにおいて、常に意識してほしいことを3点まとめました。

 

「ミクロな視点」と「マクロな視点」で社会を見つめる

当たり前ですが、社会は数多の構成要素から成り立つ、非常に複雑性、相互依存性が高く、捉えがたいものです。

それを理解した上で、一つの社会課題やトレンドについて学び、思考する「ミクロな視点」と、社会構造や仕組みそのものについて学び、思考する「マクロな視点」を持つことが大切です。

 

「演繹的に」かつ「帰納的に」社会を見つめる

一つ目と似ているのですが、社会は、複雑性や相互依存性が高いが故に、突発的で突然変異的な性質も持っています。

一つのテロで、一人の世界的起業家の発言で、社会の流れはガラッと変わったりします。

社会の流れを左右し得る各要素を捉え、原因と結果の因果関係に着目し「演繹的に」捉えつつも、一つの事象を並べて共通項や傾向を「帰納的に」見出して、社会を捉える、両方の視点が重要です。

 

トレンドに敏感に

今回の記事のコンセプトに反することを言うかもしれませんが、「迅速な情報収集や事実関係の把握の手段」として、本は有益ではありません。むしろ無価値です。

Facebookが、昨日のF8 2016 デベロッパー・カンファレンスで何を発表したか、Amazonの送料無料化廃止から、ベゾフのどんな経営戦略が読み取れるのか、といったリアルな情報は、どの本を読んでも書いてありません。(当たり前ですが)

キャリアデザインのプロセスのうち、今回の②「社会」を深く理解するに関しては、リアルタイム性が非常に高いため、読書に勤しみながらも、世界で何が起こっているか、といった、リアルタイムでongoingな情報にも敏感になってください。

 

また今度、「どうやって効率的に有益な情報を収集するか」について書きますね。

 

それでは、この連載記事の最後を締めくくる、明日の第3回を楽しみにしててください!

 

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就活で死なないために①-まずは自分を知ろう&役立つ本10選

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ー新しくスタートする季節

新学期ですね。桜はだいぶ散っちゃって寂しいです。

早稲田は夕方の桜がちょっぴり幻想的でした。

僕が新入生のときは、1000枚ぐらいビラもらったのを覚えています。笑

「あー、おれ早稲田に入ったんだ。」とその時初めて感じました。

ー大学生活の集大成としての就活

大学生活の4年間という時間は、何かをするには実に短く、何もしないには実に長い時間です。

大学生活の集大成である"就活"では、過ごしてきた4年間の密度が問われます。

1年生で大学生活をスタートした時には、だいたいみんな同じようなスタートラインから勝負するのですが、4年後には、それはそれは残酷なほど差がつきます。

特にこれから就活は、どんどん売り手市場になっていて

「企業から黙っててもオファーがくるような、就活で無双する学生」と、

「大量にESを提出するも、どこからも内定をもらえない」

の二分化が極端に進んでいきます。

やはり就活で無双できるに越したことはないですよね?

ー読書で自己研鑽

4年間の密度をできるだけ濃くし、就活で無双するために、読書は非常に有益な自己研鑽の手段です。

近年キュレーションメディアや個人メディアの台頭により、ネットにも良質な情報はあふれています。

しかし、本という媒体は、情報がふるいにかけられる"回数"が圧倒的に違うため、ネットに散りばめられた良質な情報をかき集めるより、ずっと効率的に学びを得られる良書はたくさんあります。

ー3回に渡ってキャリアメイクの仕方と役立つ本を紹介

そんな超絶学びの濃いおすすめの本を、就活におけるキャリアデザインの仕方とともに3回に分けて、紹介します。今日は記念すべき第1回目です。

 

目次

そもそもどうやってキャリアデザインするの??

まず、前提となるキャリアデザインの仕方について話します。

あくまで、僕がおすすめする方法ですが

①まず「自分」を深く理解する

②次に「社会」を深く理解する

③その上で、「キャリアの描き方」を理解し、考える

3回に渡って解説していくので、今日は①についての解説と、おすすめの本を10冊紹介したいと思います。

①まず「自分」を深く理解する

まずは、自分について知らないと、何も始まりません。

自分の資質や特性、価値観や興味分野などを知らないと、

「メーカー」がいいのか、「広告」がいのか、はたまた「年功序列で安定志向な大企業」がいいのか、「チャレンジングで少数精鋭のベンチャー企業」がいいのか、判断できません。

自分はどんな人間で、何が好きで、どんなことを大切にしているのか

といった、至極当たり前のことだけど、実は意外と知らない、自分自身について知る必要があります。

これは、マイナビの"自己性格診断"とか"キャリア観診断"とかを受けて20分程度でわかるものではなく(一つの把握手段として有益ではあります)、日々考え続け、自分と愚直に向き合い続けて、徐々に徐々にクリアになっていくものです。

「自分」を深く理解するための本

それでは、自分の"資質"を知る本2冊と、"自分の在り方"についての思考を巡らせる系の本8冊紹介します。

1. さあ、才能(じぶん)に目覚めよう
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

  • 作者: マーカスバッキンガム,ドナルド・O.クリフトン,田口俊樹
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2001/12/01
  • メディア: 単行本
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こちらは、ハイエンド就活生の中では、もはや当たり前の自己診断ツールとなっている、「Strenth Finder」のアクセスコードが同封されている、解説書です。

(※アクセスコードは一度きりしか使用できないため、新品を買ってください)

これは原書が英語なので、外資系企業なんかでは、内定者/社員全員に診断が義務付けられていたりもします。

ちなみに僕は、上から

最上志向、調和性、適応性、達成欲、信念

だったので、"自分なりの哲学を持ちながらも、空気を読んで周りと調和しながら、常に上へ上へ向かっていく人"らしいです。そうなりたいなという欲求も入ってますね多分。

ただ、「Strength Finder」を受けて満足する人が多いんですが、解説書も実に良書なので、しっかりと各資質ごとに熟読して、思考を深められるといいですね。

2. マインドタイム 
マインドタイム 「未来思考」「過去思考」「現在思考」で最高のチームをつくる

マインドタイム 「未来思考」「過去思考」「現在思考」で最高のチームをつくる

  • 作者: ジョン・フューレイ,伊藤守
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2015/04/18
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過去の経験から解決策を探る「過去思考」
使えるリソースを現状の中で探る「現在思考」
新しい可能性を見つけようと未来を探る「未来思考」
人は、無意識のうちに、この3つの思考のタイプを独自のバランスで使用しています。
どの思考をどの比率で使っているのかを独自の「マインドタイムマップ」にマッピングするだけで、個々人の適性、強み、弱みまでがたちどころに明らかになるでしょう。
あなた自身とチームメンバーを理解し、最高のチームを作るためのまったく新しい方程式、それがマインドタイム理論です。

マインドタイム理論とは、人の思考性を、「過去」「現在」「未来」3つの時間軸で捉える理論です。

本を買わなくても、診断ならここから行えます。

https://www.mindtime.com/japan/

これがめちゃくちゃ役に立つ。

例えば、チームでディスカッションをする時に、メンバーの意見やスタンスを、この思考性と結びつけて考えると、非常に有益です。

また、議論における役割意識が明確になり、効率的で質の高い議論ができるようになります。

ちなみに僕は、バランス型の未来思考でした。今度また詳しく書きますね。

3. 自分のアタマで考えよう
自分のアタマで考えよう

自分のアタマで考えよう

 

 月間150万PVを誇る人気ブログ「Chikirinの日記」の筆者が、ユニークな記事を生み出す独自の思考法を初公開。「知っていることと考えることは全く別もの」といった知識と思考の関係と、「最初に決めるプロセスを決める」「縦と横で比較する」「判断基準はシンプルは一番!」など9つの考える技術を解説する。

有名ブロガーのちきりんさんが、「これからの時代、自分のアタマで考えることの大切さ」について非常にわかりやすく、具体的な思考法を交えながら紹介しています。

「少子化問題」や「プロ野球の未来」など、とっつきやすい問題について、ちきりんさんの思考のプロセスが丁寧に描かれており、参考になる部分がたくさんあります。

 身の回りの問題や、社会問題に対して、自分はどういったプロセスのもと、どういう思考を経て、どんな結論に至るのか、を体系的に理解し、そこから自分を紐解いていく、キッカケをあたえてくれる、そんな本です。

4. 現代倫理学入門
現代倫理学入門 (講談社学術文庫)

現代倫理学入門 (講談社学術文庫)

 

 "人を助けるために嘘をつくことは許されるか"

"10人の命を救うために、1人の人を殺すことは許されるか"

といったテーマをわかりやすく、それぞれの主義にたって、客観的に説明してくれる本です。

個人的には、各章が体系的に簡潔にまとめらているので、マイケルサンデルの有名な「これからの正義の話をしよう」とかよりも、全然読みやすいと思います。

あなたは、上の質問になんて答えるでしょうか?それはなぜですか?

この本を通して、そんな自問自答を繰り返し、自らの思考傾向や価値観を探ってみてください。

5. 仕事は楽しいかね?
仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね?

 

 本書は、将来への希望もなく日々仕事に追われる主人公が、老人のアドバイスに自己変革のアイデアを見いだしていく物語である。それは、唐突に繰り出される老人の言葉とそれを問いただす「私」の会話で展開していく。たとえば老人は「目標を立てるな」という。「私」は、目標がなければ進歩の度合いが測れず、軌道修正もできないと反論する。しかし老人は、斬新なアイデアや商品がなぜ誕生したかを説き明かし、それらが目前の課題に集中した結果であることを指摘。また、世の中は自分が目標を達成するまで待ってはくれないとも言う。そして「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」「明日は今日と違う自分になる、だよ」などのアドバイスをおくる。

「私」と「老人」のやり取りの中で、気づかされることがたくさんある本です。

"新しいアイディアというのは、新しい場所に置かれた古いアイディアなんだ(文中より)"

といった、ハッとされる言葉がたくさん散りばめられているし、何と言っても、仕事に追われ会社に不満の多い「私」と「老人」の対話、という物語の伝え方勝ちかなと思います。

"多くの人は他人を凌駕する人材になろうとしているけど、それを他人と同じような人間になることで達成しようとしている(文中より)"

という言葉が僕は一番好きです。

ただ、僕は、"これは違うだろ"と思う部分もあり、あ、こういうところに"違うだろ"と思うんだな、といった自分の鏡にもなりました。

6. じぶん・この不思議な存在 
じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)

じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)

 

 掲題の通り、「自分とは何か」といった哲学的な問いに対して、著者がわかりやすく、答えてくれるもの。

僕は、上の本に同じく、この本を自分自身の"鏡"のように使っていて、時折読んでは、自分自身の感じたものの変化を意識して、思考や価値観の変遷に目を向けるようにしています。

"誰かのために、何かをするということ。それ以上でもそれ以下でもないということ"は思ってるよりもずっと難しいことであり、普通人間は、他者を自分の中に取り込んでしまうものだという話を読むたびに、自分の中の邪心が抜け、何かがリセットされる気がします。

7. 利己的な遺伝子
利己的な遺伝子 <増補新装版>

利己的な遺伝子 <増補新装版>

  • 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二
  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2006/05/01
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「なぜ世の中から争いがなくならないのか」「なぜ男は浮気をするのか」―本書は、動物や人間社会でみられる親子の対立と保護、雌雄の争い、攻撃やなわばり行動などが、なぜ進化したかを説き明かす。この謎解きに当り、著者は、視点を個体から遺伝子に移し、自らのコピーを増やそうとする遺伝子の利己性から快刀乱麻、明快な解答を与える。

"困ってる誰かを助けたい"

"後輩に成長してもらいたい"

一見非論理的で、情緒的な感情のような気もしますが、そんな感情を、遺伝子レベルで、論理的に説明してくれる、そんな本です。 

可能な限り自分の遺伝子を後世に残していくことを目的とした"利己的な"遺伝子という概念に基づいて、人間の行動のメカニズムを解説してくれています。

無意識下のもと行われる、自らの意思決定や、それに基づく行動に目を向け、この本で述べられている概念と結びつけて、思考するようになると、自他の思考や行動の見え方が変わってくるかもしれません。

7の「じぶん・この不思議な存在」とセットで読むのおすすめです。

8.「好き嫌い」と経営 
「好き嫌い」と経営

「好き嫌い」と経営

 

企業の戦略ストーリーの創造は、経営者の直観やセンスに大きく依存している。その根底には、その人を内部から突き動かす「好き嫌い」がある。14人の経営者との「好き嫌い」についての対話を通じて、経営や戦略の淵源に迫る。

楠木さんという、NewsPicksなんかでも有名な、一橋大学院の教授の方が、柳井さんや藤田さんなどの、14名の経営者との対談を通して、彼らの"好き嫌い"をクリアにしながら、それがどう彼ら自身の経営戦略に影響しているのか、を紐解いています。

誰もが共通して持っている資質は、組織を前進させていく上で、論理やデータからでは見通しきれない「未来」と愚直に向き合い、自分の中にある"好き嫌い"の感覚を大切に、「意志による意思決定」しているということです。

自分が何かを思考するとき、決めるとき、周りからの期待や、意地やプライドといった邪念がどうしても入ってしまいますが、自分の奥底から聞こえる声に耳をすませる大切さを教えてくれます。

9. ファスト&スロー(上下巻)
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

整理整頓好きの青年が図書館司書である確率は高い? 30ドルを確実にもらうか、80%の確率で45ドルの方がよいか? はたしてあなたは合理的に正しい判断を行なっているか、本書の設問はそれを意識するきっかけとなる。人が判断エラーに陥るパターンや理由を、行動経済学・認知心理学的実験で徹底解明。心理学者にしてノーベル経済学賞受賞の著者が、幸福の感じ方から投資家・起業家の心理までわかりやすく伝える。 

上下巻あるかなりボリューミーな本だが、それを忘れてしまうぐらい、熱中して読んでしまう。

7.の利己的な遺伝子とも少し似ているが、人々はいかに意思決定し、どこでどう間違えるのか、また、どういったバイアスが働くのか、そういった意思決定のメカニズムを、身近な意思決定の場面の具体例を用いながら、わかりやすく解説してくれます。

自らの意思決定の質を高めるためにも使えるが、例えば、議論の際に、メンバーの発言から、背景にある意思決定プロセスや、そこに働いているバイアス、影響しているバックグラウンドや価値観を紐解くことで、より質の高い議論を作る際にも有効です。

10. イェルサレムのアイヒマン--悪の陳腐さについての報告
イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告

イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告

 

 アイヒマンという人物は知っていますか??

アウシュビッツのナチ将校であり、何百万にものユダヤ人をホロコーストに送り込んだ人物だ。

これだけを聞くと、"悪の象徴"のような印象を抱く。

実際に、当時の世界中の人々はそうであった。

しかし、この本の中では、アイヒマンを極悪人としてではなく、「ごく普通の小心者で、取るに足らない役人」として捉え、命令されたものを、命令された通りに行った、規則正しい人物であると唱えた。これを著書は「悪の陳腐さ」と表現し、誰しもが特定の状況下に置かれれば、簡単にそういった行動を起こしてしまうものだとも警鐘を鳴らした。

この本に始まり、ハンナアーレントの唱える「全体主義」は、現代の日本に通ずるところが非常に多く、"全体の空気"や"マジョリティ"に無思考で従うのではなく、自ら思考し、自ら本当に正しいと思う道を進む大切さを教えてくれます。

「自分」を深く思考する上で意識したい3つのこと

ちょっぴり長くなっちゃいましたが、ここまで読んでくれた人はありがとうございました。

「自分」を深く理解することで、キャンバスにどんな絵をどうやって描きたいのか、どんな絵が描けるのか、といった思考が始まります。

逆に言えば、「自分」を知らなけらば、いくら「社会」を知っていても、「キャリアの描き方」をしっていても、筆をとり始めることができません。

この文章を通じて、少しでも「自分」を深く知ることの大切さが伝われば嬉しいです。

最後に、このステップにおいて、常に意識してほしいことを3点まとめました。

「表層の自分」ではなく「深層の自分」を見つめる

自己分析やキャリア診断などからわかる自分は、あくまで「表層的な自分」です。

どんな性格なのか、特性なのか、キャリア観を持っているのか、それは"あなたは、◯◯タイプです"と定量的に表せるものとは限りません。

定量的に分類したり、言語化できるような、「表層的な自分」にとどまらず、自分の心の奥底にある情熱や強烈な感情に意識を向け、「深層にいる自分」と向き合ってください。

「生きる」「働く」「善と悪」といった抽象的な概念に目を向ける

業種や働き方といった、自らの"仕事観"に留まらず、"生きること"や"働くこと"、"善と悪"や"正義とは"といった、壮大なテーマに対しても常に思考を及ばせてほしいです。

一見、自分の中にある哲学をぐるぐる巡っているようで、意味がないように思えるかもしれませんが、もしかしたら特定の状況下においては、役に立たないかもしれませんが、きっと人生において自らの血となり肉となります。

"表層的で一時的な小手先の思考"ではなく"生きていく上で常に糧となるような、自らの核となる思考"をしてください。

なんだかんだ「感覚」を大切にする

いろんな本を読んで、いろんな人の言葉に耳を傾け、自分の中に芽生えた感情に目を向けることが大切ですが、それは決してロジカルなものや、言葉で表現できるようなものではなく

"なんか好き" "なんか嫌い" "うざい" "素敵"

といった、抽象的な感覚を一番大切にするのがいいかと思います。

それでは、第2回/3回を楽しみにしててください!

 

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